その五  【弁慶手もみの道祖神】



  当山の道祖神には次のような言い伝えがあります。

  義経主従が当時に着くと戦旅の疲れで心身綿の如くであった弁慶が寝込み、七日七夜食物もとらず
  眠り続けました。
 
  ようやく目を覚まし起き上がって言うには、夢の中に猿田彦神が現れ、
  「この羽前街道には旅人まれにして 路も定かならず。踏みあやまりて命を落とすもの多し。 
  天下の大道にしてかくの如く危惧あり。汝は吾に代わり、この岩手の十字路に神座を求め
  道祖神のお姿を祀れ。」 とのこと。
 
  弁慶は早速、巨大な川原石を担ぎ上げ、経文を唱えながら手もみし、見事な道祖神を一夜にして
  作り上げたということです。
  この弁慶手もみの道祖神は、子宝を授け、厄を払う強い霊力を持つとされ、進行を集めています。

  お姿は高さ1.4メートル、周り87センチメートルの巨大な石像で、まったく見事なものです。









 
その六  【熊野修験道の大般若六百巻】


 
  不思議な飯綱を放つ山伏の話など、鳴子には山岳修験道に纏わるものが数々残されています。
   
  家門繁栄を祈祷し、転読されてきた【大般若六百巻】は今から約200年前の当山25世實応大和尚の時、
  源蔵湯(現在の鳴子観光ホテル)当主初め、湯元の旧家の方々から寄贈されたと記録にあります。

  熊野修験道の流れと謂われるところの大般若経を昔は祭礼時に長柄棒で担ぎ、皆で練り歩いたそうです。
  
  今は本堂奥の12の桐箱に大切に納められています。







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